#3 地獄の始まり。
大量の雲の下、俺は一人ぼっちで宿を探していた。
「どこに宿あんの?」
ここは日本ではないのでめちゃくちゃ苦労する。
あと荷物が重すぎて笑ける。
道歩く人に尋ねては無視されの繰り返し、
空の色は徐々に暗くなっている。
心が折れかけた頃一人の女の子が助けてくれた。
彼女の名前はドリー。
この後、彼女と俺は最高の友達になる。
必死に質問するが彼女はチンプンカンプン。
ドリーのおかげでなんとか宿の前まで到着することができた。
しかし!
ドアが開かない!!
ありゃりゃ!?
オートロックのため暗証番号を入力しないと開かない仕組みになっていた。
宿のオーナーはここには住んでいないらしく、電話で教えてもらう必要があった。
自分の携帯は繋がらないのでドリーの携帯を借りることにした。
オーナーに電話は繋がったが全て英語でわけわからん。
しまいには俺の英語が下手すぎて笑われる始末。
必死に聞いてなんとか扉が開けることができた。
よっしゃぁ! 扉を開けるだけなのにめちゃ嬉しかった。
英語はミステリーだなと思いつつドリーにめちゃくちゃ感謝した。
そしてお互いに連絡先を交換しバイバイした。
クタクタになった体と共に自分の止まる部屋についた。
どうやら他の人は賃貸で借りているようだ。
マレーシアの女の子と会話したが噛み合わず、向こうは超ドン引きしどこかに消えた。
ダメだこりゃと思いつつ、シャワーを浴びた。
恐怖と緊張があったもののぐっすり眠ることができた。
次の日
早朝に目覚め、日本から持ってきていた味噌汁パックを飲み宿を後にした。
外はひんやり寒くメイプルの木が数えきれないほど立っていた。
今日は紙幣の両替と仕事をGetするための履歴書を作るために街へ
しかし驚くことにこの周辺にはスーパーマーケット的なものが無いので探すのに一苦労。スーツケースとギターを持ちながらの移動となるためとてもハード。
しかも一つの目的地に行くまでの距離が長いので時間が掛かるデメリットも発生!
お腹が空いたためスーパーに行き両替所を発見し全てのお金をカナダドルに変更 Yeah.
これでカナダ$190での生活が本格的に始まった。
クルミの食パンとイチゴジャムを買い外に行こうとした時、日本人を発見!
おぉ情報を入手しよう!
俺:「すいません昨日来たばかりなので、この辺のことちょっと教えてもらっても良いですか?」
日本人:「.....」
嘘やろ。
日本人にも見捨てられこの有様
カナダ なら英語だけなのかい?
ちくしょーと思いながらクルミパンを頬張りスーパーマーケットを探すことに、
しかし見つけることはできなかったが図書館を見つけた。
そこで自力で英語を調べながらオリジナルの履歴書を作成。
時が経つのは恐ろしく早く気が付けば夕方になっていた。
周りの雰囲気が恐ろしく感じる。
そう今俺がいる場所はフィンチという少し危険なエリアである。
ここは暴行や殺人もあるエリアで決して安全とは言い難い。
マリファナの匂いもかすかにする。
ひとまず休憩するために昨日泊まった宿の近くの大学へ避難。
そこで考えた。
「宿はないし金もないし友達もいないどうすんだい俺?」
荷物が重すぎて行動範囲が狭いのが痛い。
昨日出会ったばかりのドリーに頼み荷物を預かってもらうことにした。
彼女の答えはOK !
ドリー優しすぎるやろ。
日本でコレしたら誰も預かってくれないだろうな。
午後11時頃ドリーと俺は大学で会い今日の近況報告をした。
自分で作った履歴書を彼女に見てもらったが
ドリー「あんまり良くないな。」
俺「おぉ 泣」
ドリー「私が手伝ってあげるわ」
深夜12時頃俺たちは新しい履歴書を作り始めた。
自分の実力の無さに涙がこぼれでた。
午前2時頃、New履歴書を作り終えてドリーの家に荷物を預けて
また一人の時間が訪れた。
さぁ今夜は宿はないので野宿することに
ちなみにこの時の気温は3度。
よーしお休み!!
寝れるわけないよね。
寒すぎて大学に再び移動。
大学生ではないので怪しまれないようにひっそりと入り男子便所で就寝。
案外寝れた。
地獄はほんの序章ここから更にひどくなるぜ。
全て実話です。
残金180$
続く。